ふと思いついたネタ

　題して、「迷探偵スピードスターの一日」。謎解きになってるので、暇つぶし程度に試してみてください。

　ちなみに、答えはかなり物騒なものになってます。

　「犯人はお前だっ！」私は女性を指差した。
　女性はその場から静かに立ち上がると、こちらに顔を向けた。その眼は悲しげで、何かを訴えているようだった。女性は何も言わずに、警察に連行されていった。


　「…あれから１年になりますね。」
　お茶を持ってきたザビーネが言った。私が眺めているメモを見て言ったのだろう。

　「ん？　あぁ…そうだな。」
　私はメモを机の上に置くと、淹れたての緑茶を飲み、フゥッと一息つく。
　「しかし…わからないな…。」
　「え？　何がです？」
　独り言のようにつぶやいた言葉にザビーネが反応する。
　「あ。いや……このメモが一体何を意味していたのかがね…。」
　「結局わからなかったじゃないですか。第一、このメモ自体に意味があるかどうかもわかりませんよ？」
　ザビーネはニッコリと微笑んだ。
　「まぁ…確かにな…。」
　私は再度メモを手に取り、しげしげと見つめた。メモにはこう書かれていた。


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　あの女性が書いたものだ。特徴のある筆跡だからよく覚えている。その女性は２ヶ月前に刑務所内で病死しており、その直前に刑務所から出したのであろう私宛の手紙の中に入っていたものである。
　「あと同封されていたのはこの雑誌……何か意味があると思うのだが…。」
　「ふふっ、何もありませんよ。仮に今解けたところで、もう手遅れじゃないんですか？」
　「まぁ…な…。」
　私は考えるのをやめ、緑茶を一気に飲み干す。

　「あ、今日は午後お約束があるんじゃありませんでしたか？」
　「そういえばそうだな。よし、ちゃっちゃと行って来るか。」
　私は軽く伸びをして席を立った。メモは机の上にある同封されていた雑誌（週刊アスキー）にメモを挟み込んだ。

　「いってらっしゃいませ。お気をつけて。」
　ザビーネは私にそう言って見送った。


　事務所に一人になったザビーネは、雑誌の間に挟んであったメモを取り出すと、ビリビリに破いてゴミ箱に捨て、溜息をついた。

　「さて、あなたにはこのメモの謎が解けるかしら？　残念ながら、あの人には解けなかったけど…。だけど、このまま解けない方があの人の為だと思うわ。」

　さて、一体何を意味していたのだろうか？